そして、私は最後の煙草に火をつけた

彼との思い出が頭をよぎる。二人で撮った写真を見ると「何故こうなってしまったのか?」、それだけを考える。
なかなかうまくいってると思ってた。最初のうちは。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶとはよく言うが、私と彼はまさにそうだった。私はいわゆる恋多き女だったが、彼は正反対だった。どんなことも下調べを欠かさない、慎重な人間だった。
付き合うまで貞操を守っていたような男。全く違う人間だからこそ、惹かれ合う。補い合い、反発し合う。恋愛は面白くて切ないものだとしみじみ思う。
付き合うことも別れることも全て決まっていたのかもしれない。

だけど今、少なからずの寂しさと執着心の間で、いづれこうなるんだった、と。こうなるべきであり、これが正しかったと確信している。

それだけが私にとって唯一の慰めだった。